日系企業によるカンボジアへの進出が本格化し「カンボジア投資元年」と呼ばれた 2011 年。それ以降、進出企業の数は年を追うごとに大きく伸び続け、今や年間100社を超える企業がカンボジアに進出をしております(参考:商務省に登録した日系企業数)。
カンボジアへの進出が増加した要因としてまず挙げられるのは、中国、タイ、ベトナムなどにおける人件費の高騰や外資企業に対する政策の変更、あるいは一国に集中させていた生産に対してリスク分散を図ることなどが挙げられます。チャイナ・プラス・ワン、あるいはタイ・プラス・ワンの進出先として、カンボジアが注目を浴びているのです。
親日国・政治的安定
1991年の内戦終結からフンセン首相率いるカンボジア人民党が安定多数で政権を運営する結果、現在カンボジアはアジアで最も政治が安定した国の1つと言われております。
日本政府が積極的な支援を行っていることもあり、カンボジア人の多くは日本に好意的な感情を抱いており、東南アジア随一の親日国でもあります。実際にカンボジア政府も日本の行政を見習うために、公務員を日本へ派遣させるなどの取り組みを行い、政治的にも日本に大きな信頼を寄せています。
弊社代表安藤が大学生だった頃、留学生として来日したカンボジア人と出会い、今もその同窓生とカンボジアで交流を続けております。
経済成長率
国際通貨基金(IMF)が、2015年4月14日に発表した『WORLD ECONOMIC OUTLOOK 2015』では、カンボジアのGDP成長率が、2015年7.2%(前回7.3%)、2016年7.2%と好調を予測し、2017年以降も2020年まで7.3%〜7.4%の成長が続くという見通しを出し、中長期的にも成長が期待できるとしています。一人当たりGDPも、2013年に1000ドルを突破して1018ドルとなり、2015年は1146ドル、2020年には1637ドルに達するというデータもあり、市場はますます活発になっていくことでしょう。
若い人口構成
カンボジアは、現在人口約1,500万人、1人当たりの名目GDPも1100ドル程度と、経済規模の面ではアジアの中でもまだまだ小国です。
しかし、国民の平均年齢は24.1歳程度と非常に若く、30歳以下の国民が全体の約4割を占め、これからのカンボジア経済を担う若年人口が豊富にいることから、高い成長への期待に繋がっています。また、女性一人当たりの出生率が2012年時点で2.89と高水準にあるため、カンボジアの総人口は、2030年に1,900万人を突破し、2050年には2,200万人にまで達すると予想され、国連によれば、高齢層よりも若年層の方が圧倒的に多いカンボジアでは、高度経済成長が継続しやすい環境とされる「人口ボーナス期」が2045年頃まで継続するとみられております。
このため、豊富な若い労働力が今後もカンボジア経済を活性化し、より一層の人口増加、一人一人の所得の増大が見込まれるため、国全体が高度経済成長期へと向かい、その中で新たな需要が次々と生まれてくるだろうと言われています。その全ては、この若い人口構成に秘密があるのです。
外資に対する規制・流通通貨「米ドル」
カンボジアは他のアジア諸国と異なり、外資に対する規制がほとんどありません。参入障壁を非常に低くすることで、政府が率先して「外国からの投資」を奨励しているのです。 そのため、外資100%で法人を設立することが可能なのはもちろん、マスメディアのオーナーになることさえできてしまいます。 外国人に認められないのは、唯一土地を所有することだけです。
また、カンボジアでは、ベトナムなどと同様に米ドルが日常的に使われ、「市場に流通している通貨の9割以上はドル」とまで言われています。他の新興国通貨のような大幅な為替変動リスクがなく取引を行えること、そして、カンボジア最大の輸出先がアメリカということもあり、アメリカ向けの輸出についても為替リスクなく取引が行えることは、新たなビジネスを開拓する上で大変有利な点になると言えます。